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品川は東京の南の玄関口だ。新幹線、京急線、山手線がここで交わり、毎日数十万人が行き交う。リニア中央新幹線の東京側の終着駅になる計画で、駅前一帯の再開発が進んでいる。多くの人が品川に「次に上がる街」の印象を持っている。
大崎は品川の隣の駅、山手線で南へ2分。多くの人が大崎について暧昧な印象しか持っていない。品川の隣だと知っているが、何があるかは思い出せない。駅前にthink parkというオフィス複合施設があり、セガサミーホールディングスの本社がある。だが大崎がニュースになることはほとんどない。品川の影に静かに佇む、忘れられた隣人のような駅だ。
だが、urbalyticsの収益物件データを開くと、この2駅の景色が急に面白くなる。品川駅の収益ビル平均価格は約5.06億円、大崎駅は約2.16億円。1駅の距離で、価格が2.3倍違う。利回りの差はさらに大きく、品川平均2.58%、大崎平均4.81%と、ほぼ倍開いている。
2.3倍の価格差、ほぼ倍の利回り差
まず主要データを見比べてみよう:

4つの指標で、品川は一貫して「より高く、より低い利回り」だ。ただ1つ、大崎が逆転している指標がある。駅までの徒歩分数だ。品川の物件は平均10.5分、大崎は8.9分。大崎の方が駅に近いのに、価格は品川の半分以下だ。
利回りの差も同じく顕著だ。品川で収益データのある物件のうち、最高利回りは3.40%、最低は1.46%。大崎は最高7.57%、最低2.80%。品川の「ベスト」が大崎の「平均」に及ばない。
価格帯の分布:品川は中高価格帯、大崎は1億以下
両駅の物件を価格帯で分けると、差がさらに鮮明になる:

品川の15件のうち、1億円以下は1件だけ。大半は1億から5億円に集中し、10億円超が2件ある。大崎は45件中、13件が1億円以下、22件が1億から3億円帯。2つの市場の「主力価格帯」は重なっていない。
供給量自体も物語っている。品川は15件、大崎は45件で品川の3倍だ。品川の供給の希少性が単価を押し上げているが、同時に選択肢が極端に限られることも意味する。
実は家賃はほとんど同じ
価格が2.3倍違うなら、品川の家賃も2.3倍高いのだろうか?答えはノーだ。
urbalyticsの賃貸データによると、品川駅周辺のマンション平均賃料は平方メートルあたり約5,534円/月。大崎は約5,384円/月。差はわずか3%だ。
ここがこの比較で一番面ろいところだ。2つの駅の賃貸需要の強さはほぼ同じなのに、売価は2.3倍違う。価格差は賃貸市場から来ているのではなく、資本価値のプレミアムから来ている。言い換えると、品川の投資家が買っているのは「より高い賃料利回り」ではなく、「将来の値上がりのストーリー」だ。
品川のプレミアムの源泉
品川駅は東京最大規模の再開発の途上にある。2020年に山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」が品川の隣に開業した。リニア中央新幹線の終着駅になる計画で、2030年代の名古屋直通開通が見込まれている。駅前の旧街区は順次建て替えられ、大型オフィスや商業施設が整備されている。
こうした物語が品川の地価期待を押し上げている。投資家は2.58%の低利回りを受け入れている。資本升值に賭けているからだ。ただし注意すべき点がある。品川で収益データのある物件はわずか4件。サンプルが少なく、平均価格は高価格物件に引っ張られて約11億円になっている。この「平均」の代表性には限界がある。
大崎の静かな価値
大崎駅も変化している。駅前のthink parkは大型オフィス複合施設で、セガサミーホールディングスの本社などが入居している。新たなオフィスビルが順次完成し、駅徒歩3分の場所にも売出物件がある。ただ大崎には品川のような「リニア終着駅」クラスの物語がない。メディア露出もはるかに少ない。
データで見る大崎の価値は「同じ家賃水準で、半分の参入価格」だ。平均利回り4.81%は山手線沿線では高めの水準だ。45件の売出物件は投資家に選択肢の広さを提供し、4,015万円の小型ビルから10億円クラスまで幅広く覆盖している。
ただ大崎にもリスクはある。市場データのトレンドを見ると、坪単価の変動が大きく、2025年10月から2026年8月の間に顕著な上下動があった。サンプル数は品川より多い(収益データあり24件)が、流動性は依然として限定的だ。
投資家は何を見るべきか
品川と大崎の比較は、本質的に「物語を買う」か「数字を買う」かの選択だ。
品川を選ぶということは、極めて低いキャッシュフロー利回りを受け入れ、再開発による地価上昇に賭けることを意味する。資金に余裕があり、投資期間が長く、地域開発計画を深く研究できる投資家向きだ。ただし品川は売出物件が少なく、価格が高く、利回りが低い。参入障壁も保有コストも低くない。
大崎を選ぶということは、半分の価格でほぼ倍の利回りを手に入れ、品川とほぼ同じ賃貸需要を享受することを意味する。徒歩分数も短く、供給も豊富だが、強力な値上がりの物語に欠ける。キャッシュフローを重視し、高い即時リターンを求める投資家向きだ。
どちらを選ぶにせよ、物件検索ツールで実際の売出物件を比較することをおすすめする。平均値はトレンドを描くが、最終的な投資判断は個別物件の評価に委ねられる。
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