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自民党が許可制の導入を提案:申告から承認へ
2026年9月24日、自民党外国人政策本部は政府に提言を提出し、10月5日召集の臨時国会で「重要土地等調査法」修正案の成立を求めた。核心的な変更は、現行の「事後申告」制度を「事前許可」制度に格上げすることである。
提言によると、自衛隊施設の周辺1km範囲内での土地所有権移転は政府審査の対象となる。現行制度と比較して、皇居、国会議事堂、首相官邸、および無人の国境離島が新たに監視対象に追加される。外国政府、外国軍人、およびこれらに関連する義務を負う者の取得申請は原則不許可とされる。許可を得ていない取引の登記は無効とされ、罰則が新設される。
また、都市部のマンション価格上昇についても言及し、外国資本の投機的購入が住民の不安を引き起こしていると指摘。税制手段や時限的な制限措置の導入を参考に検討することを提案している。
外国資本の規模:1兆円の市場
海外投資家による日本不動産の購入は拡大している。三菱UFJ信託銀行の調査では、東京の新築マンションの20%〜40%が外国人に販売されている。2025年上半期、海外投資家による日本不動産の購入額は1兆円を突破し、過去最高を記録した。日本全体の不動産取引に占める海外投資家の比率は、5年前の21%から27%に上昇した。
新宿スカイライン。東京都心5区は日本の外国投資全体の42%を集めている。
CBREの調査によると、東京は7年連続で世界のクロスボーダー不動産投資額1位を維持している。外国資本が日本を選ぶ理由には、円安による価格面での割安感、相対的に低い金利水準、外国人の不動産購入に対する規制の少なさ、そしてアジア域内で際立つ政治的安定性が挙げられる。
地域別では、東京都心5区(千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区)が全外国投資の42%を占める。大阪、ニセコ、京都、福岡などにも資本が流入している。投資家の出身地は中華圏が中心で、アメリカ、韓国、中東からの投資家も増加している。
東京都心5区:市場の実態
外国資本が集中する東京都心5区の市場状況はどうなっているか。urbalytics の物件検索と 収益物件統計で、主要エリアの在售価格水準を確認できる。
渋谷駅周辺は現在56件の整棟物件が在售されており、平均価格は約8.4億円、平均表面利回りは約4.01%。過去12ヶ月(2025年9月から2026年9月)で坪単価は8.25%上昇した。新宿駅周辺は31件の在售整棟で、平均価格は約7.3億円、12ヶ月で坪単価が6.38%上昇。東京駅周辺は在售整棟が極めて少なく、平均価格は約5.6億円、供給が限られている。
渋谷・新宿・東京の3駅の整棟物件坪単価推移。データ出典:urbalytics building_cap_rate_stats。
在售土地については、渋谷駅周辺57件で平均坪単価約1,447万円、新宿駅周辺17件で約1,391万円、東京駅周辺は在售土地も少なく、平均坪単価約1,075万円。都心部の利回りは3%〜4%の範囲に圧縮されており、外国資本の競争が資産価格を押し上げていることがうかがえる。
urbalytics データ洞察:渋谷の56件の在售整棟と57件の在售土地は、都心で最大規模の投資級市場を形成している。12ヶ月で坪単価が8.25%上昇したことは需要の強さを示すが、4%の利回りは資産価格が既に高水準にあることを意味する。許可制が一般の不動産取引に拡大すれば、市場の流動性に影響が出る可能性がある。現時点では、このリスクは顕在化していない。
許可制が市場に与える影響:3つの次元
第一に、直接的な影響は限定的。許可制の対象は自衛隊施設周辺1kmおよび特定の敏感区域である。東京都心5区の住宅・商業物件の多くはこの範囲に含まれない。外国の個人投資家による一般的なマンションや収益物件の購入は、現行制度の下では引き続き開かれている。
第二に、シグナル効果は大きい。2026年4月の国籍申告制度から9月の許可制提言まで、規制の方向は「誰が買っているかを把握する」から「買えるかどうかを制御する」へと移行している。この政策の軌跡は外国投資家の期待に影響を与える可能性がある。一部の投資家は規制強化前に取引を急ぐ可能性があり、短期的な取引量の押し上げ要因となり得る。
第三に、後続政策の不確実性。提言では投機的購入の抑制に向け、税制手段や時限的な制限措置を参考に検討することが示されている。カナダの非居住者購入一時禁止やオーストラリアの「新築のみ許可」に類する措置が導入されれば、都心の高級マンション市場への影響はより直接的になる。これらの措置は現時点では議論段階である。
投資家が注視すべき方向
日本の不動産に関心を持つ投資家は、実際の取引が制限されるかどうかと、市場心理が影響を受けるかどうかを区別して捉える必要がある。
実際の取引面では、urbalytics の検索で、都心5区に依然として大量の在售物件があることが分かる。渋谷の56件の整棟と57件の土地、新宿の31件の整棟と17件の土地という在售量は市場の供給が十分であることを示している。収益物件は利回りが3%〜4%に圧縮されているものの、取引は依然として活発である。渋谷駅の市場ページで具体的な物件明細と価格推移を確認できる。
市場心理面では、臨時国会の審議状況を注視する必要がある。修正案が今年中に可決されれば、2027年度からの実施可能性が高まる。urbalytics のデータプラットフォームで主要エリアの掲載件数と価格変化を追跡し、政策期待による異常な変動がないかを判断することができる。
urbalytics で東京都心の物件を検索
こちらから urbalytics の検索機能を利用し、東京都心5区のマンション・収益物件の掲載状況を確認できる。駅別、価格、面積、利回りでの絞り込みに対応している。
リスク注意喚起:本記事で引用した売価・利回りデータは掲載基準値であり、実際の成約価格ではない。表面利回りには管理費・修繕費・税金が控除されていない。地域平均値は個別物件の差異を覆い隠す可能性がある。政策内容は提言段階の情報であり、実際の法文は国会の審議結果による。
本記事は投資助言を構成するものではありません。
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※ 本記事の図表は urbalytics プラットフォームのデータから生成した。カバー画像は Wikimedia Commons の国会議事堂写真、新宿スカイラインは Wikimedia Commons の実景写真である。
参考資料
- 日中プレス「自民党、外国人の敏感土地購入に許可制を提案」2026年9月25日
- 三菱UFJ信託銀行 東京新築マンションの外国人販売比率に関する調査
- CBRE クロスボーダー不動産投資調査(東京7年連続1位)
- urbalytics プラットフォームデータ(search_properties / building_cap_rate_stats、2026年9月取得)
- 国土交通省「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議 提言」2026年8月
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