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9/6(土) 9:00配信
東京都千代田区のマンション「ザ・パークハウスグラン三番町」(右)(出所:PIXTA)
2025年7月、東京都千代田区が不動産協会に対して、投機目的のマンション転売を規制する要請を出しました。この転売規制は、どんな効果をもたらすのか、マンションの価格高騰を抑えることにつながるのか。不動産事業者の視点から感じることをお伝えします。また、昨今の価格高騰で都内マンションが手に入れにくくなっている今、どのような購入戦略を持てばいいのか、あわせて解説します。(一心エステート株式会社代表取締役:高田一洋)
目次
千代田区によるマンション転売規制についてマンション転売規制の効果はあるのか?急激なマンション高騰でも、都内マンションを手に入れる方法はあるまとめ
「プラウドタワー千代田富士見」(出所:PIXTA)
2025年7月、東京都千代田区が不動産協会に対して「投機目的でのマンション取引等に関する要請」を行いました。この要請の内容は、「購入者が引き渡しを受けてから原則5年間は物件を転売できないように特約を付すこと」と「同一建物において同一名義の者による複数物件の購入を禁止すること」が主なものです。(※参照:千代田区ホームページ「千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請について」)
区の発表によると、「現在、区内においてマンション等の住宅価格の高騰が続いており、同時に国外からの投機を目的としたマンション取引が行われていると考えられる」という背景があります。
また、所有者が住まないケースが7割にも及ぶという実態調査の結果も公表されました。居住実態のない住戸が相当数存在しており、管理組合の運営に支障をきたし、住環境の悪化にもつながっているということです。
ただ、この要請の対象は「総合設計などの都市開発諸制度を活用する事業及び市街地再開発事業」で販売されるマンションという限定的なものです。つまり、容積率緩和や高さ制限の緩和を受けた事業で建設されたマンションに対してということになります。
千代田区マンション市場の現状 東京23区のマンション平均価格は、中古でも1億円台になったことが大きく報じられたように、いまもなお上昇しています。そのなかでも都心三区に含まれる千代田区の価格はさらに高騰しています。
代表的な千代田区の高額物件として、「パークコート千代田富士見 ザ タワー」「平河町森タワーレジデンス」「ザ・パークハウスグラン三番町」などがあります。
その他、大規模タワーマンションとして「プラウドタワー千代田富士見」「THE CENTER TOKYO」「東京パークタワー」「アルファグランデ千桜タワー」など枚挙にいとまがありません。
千代田区には、番町やお茶の水、神田明神の周辺など、人が住めるのは本当にわずかなエリアしかなく、その希少性がマンションの価格を押し上げています。
そのため、例えば、千代田区と北側で隣接する台東区では、道路を挟んだだけで同スペックのマンション価格が1割程度異なります。
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