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地域の歴史と都市発展の流れ
立川市は東京都西部に位置し、常住人口は約18万人の都市です。多摩地域の衛星都市として、立川の初期発展は交通と軍事と密接に関連していました。1922年に日本陸軍がここに立川飛行場を設置し、昭和初期には重要な航空基地となりました。1924年に創立された立川飛行機会社は戦時中に軍用機を製造し、戦後は徐々に不動産等の事業へと転換していきました。第二次世界大戦後は米軍が立川基地を接収し、1977年に日本へ返還されました。その後、広大な基地跡地は1983年に昭和記念公園として整備され、東京都内でも最大級の都市緑地の一つとなっています。

早期の鉄道優位性(JR中央線・立川駅は1889年から営業)と基地関連産業の集積を背景に、立川は戦後急速に都市化し、単なる軍都のイメージを脱して東京都西部の商業・交通の副中心へと成長しました。世紀末には多摩都市モノレールが立川を貫き、北多摩地域を連絡しました。1998年に立飛駅がモノレール開業とともに供用を開始し、立川基地西側エリアへのアクセスを担うようになりました。その後20年以上にわたり、立川市は旧基地跡地の都市更新を継続的に推進しました。伊勢丹、髙島屋等の百貨店が立川駅前に立地し、地下・ペデストリアンデッキで結ばれた商業施設(Lumine、Granduo等)が駅前を形成しています。一方、モノレール沿線の西側においては、地元企業である立飛ホールディングス(立川飛行機会社の資産を継承する事業体の一つ)が大規模複合施設を開発し、立川は生活・商業・交通を兼ね備えた多機能な都市ハブへと変貌しました。
特に立飛駅周辺は近年、新たな活力拠点として形成されています。2015年開業の「三井LaLaport 立川立飛」は250を超えるショップ、飲食、フードコート、シネマ、クリニック等を擁し、西東京で最大級の規模を誇ります。2020年には立川駅北側の「緑町」エリア(昭和記念公園に隣接)に大型のオープン型商業街区GREEN SPRINGSが誕生し、「都市と自然が融合する健康的なライフスタイル」を掲げる複合拠点として、ホテル、劇場、商業・オフィス施設を内包しています。独自の“都市の縁側”デザインにより、伝統と現代が交錯する公共空間が創出されました。こうした開発により、立川は単なる郊外の住宅地から地域の商業中心地かつ交通結節点へと成長し、生活利便性と都市機会において『二核』型の特徴を備えるに至っています。

人口・地価・賃貸需要などのデータ動向
立川市の常住人口は近年概ね18万人前後で推移しています。2015年国勢調査では約175,800人、2020年には183,600人(5年で約4.1%増)となり、2024年1月時点の住民基本台帳人口は約180,400人で前年比ほぼ横ばいです。市の公式予測では、立川市の総人口は2020年代にかけ小幅に増加し、2028年前後にピークを迎えると見込まれ、その後は少子高齢化の影響で緩やかに減少する局面に入るとされています。注目すべきは、自然増が鈍化するなかでも立川が対外的な受け入れにより純流入を達成している点です:過去5年間は毎年、転入が転出を上回り、累計で約6,400人の純増となっています。これはテレワークの普及に伴い、都心で働く人々のうち通勤日数を週2〜3日に抑えつつ交通利便性を確保でき、住居費の抑えられる立川への移住を選ぶ層が増えていることを示しています。こうした人口の安定と継続的な流入は、地域の不動産需要を下支えしています。

近年、立川市の地価は堅調に上昇しており、4年連続で上昇が続いています。2025年の地価公示では市平均の土地単価が約536,436円/㎡で前年比5.6%上昇し、1995年以来の最高水準を記録しました。過去10年(2016–2025年)の年平均上昇率は6.59%に達しています。駅前の商業地は特に上昇が顕著で、2025年の商業地平均は1,503,000円/㎡に達しましたが、住宅地も着実に値上がりしており、2025年の市内住宅地平均は約290,267円/㎡(前年比6.55%増)となっています。この上昇率は東京圏の郊外都市の中でも上位に位置します。統計によれば2014〜2024年の10年間で立川の地価は累計約41.8%上昇しており、都下(23区外)でトップクラスです。典型的な住宅地である立川市錦町周辺では、5年間で地価が25%超上昇したエリアもあります。再開発による地域価値の向上が明確に表れています。
賃貸市場も活発で、賃料は安定的に上昇傾向にあります。市内の集合住宅(マンション)平均賃料は㎡当たり約2,368円/月、33㎡の小型住戸で月額約72,800円になります。過去1年間の平均賃料は約1.1%の微増で、賃貸需要の安定と小幅な拡大を示しています。自宅用に購入を検討する層にとっては、立川の新築マンション価格は都心と比べて依然として割安感があります。駅近の新築分譲では主力の2〜3LDKが総額約6,500万〜8,000万円台で流通しています。例えば2024年に発売された立川の公園近接レジデンスでは、3LDKの最低価格が約6,500万円(75㎡前後)という事例があります。都心23区の同面積帯が億を超える価格帯であることと比べると、立川は購入のハードルが相対的に低く、低金利環境下での借入可能額の拡大もあって、ここ数年は取引と価格の上昇を後押ししました。金利政策が最近は慎重な方向にあるため上昇スピードは鈍化する可能性があるものの、立川の相対的に抑えられた価格水準と人口の流入傾向は、自住および投資の両面で魅力を維持しています。

近年の地区開発と施設のアップグレード
近年、立川市(特に立飛駅周辺)では一連の注目すべき地区開発と公共施設の拡充が進み、住民の生活の質が大きく向上しています:
2025年7月、立飛駅西側に新設された木造低層商業施設「Commons 立川立飛」が正式に開業しました。本プロジェクトは立飛HDが開発・運営し、木造の低層建物2棟で共用のオープンスペースを囲む構成で、「街区のリビング(Commons)」をコンセプトにしています。広場には屋外席やペット対応スペースが設けられ、近隣交流の場を創出しています。Commonsには話題のフレンチパスタ店や博多の一風堂ラーメン、焼鳥店「幸の鳥」、寿司店「わさび」、武蔵野名物の肉汁うどん店、四川風麻辣スープ「小鍋」、人気のベーカリーカフェなど、10店舗以上の特色ある飲食・小売が出店しています。この新しい商業エリアは周辺住民に高品質で多様な飲食・レジャーの選択肢を提供し、従来モノレール沿線西側で不足していた生活利便のギャップを埋めるとともに、家族の週末レジャーの新たな拠点となっています。

2020年4月開業の立川駅北口のGREEN SPRINGSは段階的に整備され、立川の都市更新における重要なマイルストーンとなりました。GREEN SPRINGSは約3.5ヘクタールの敷地に商業、オフィス、ホテル、文化施設を融合させ、「天空・大地・人のつながり」をテーマに、都心西部では稀な“健康的なライフスタイル”型複合施設を形成しています。中でも多摩地域最大級の劇場である立川ステージガーデン(収容約2,500人。屋内外一体化設計の新型ホール)は注目を集めています。高級温泉コンセプトのSORANOホテル(2020年5月開業)や、親子で体験できる文化施設PLAY!(絵本ミュージアム等)、多数のレストランやカフェ、クリエイティブ系の小売店が集積しています。中核には1ヘクタールの芝生ガーデンが配置され、周辺建物はガラスや木製の庇を多用して屋内外の境界を曖昧にする設計がなされ、四季を通じて緑に包まれた空間が広がります。開業直後からGREEN SPRINGSは「東京西部の新しいランドマーク」の一つとして注目を集め、立川駅前の商業繁華街と北側の昭和記念公園を効率的に結びつけ、都市と自然の共生を実現する“都市の縁側”として地域価値を大きく押し上げました。住民にとっては散策や憩いの場であり、買物・娯楽の選択肢を広げる存在です。
立川市は子育て・教育環境の充実を重視しており、これらの取り組みは特に立飛エリアのファミリー層に利するものです。まず保育サービスの供給拡大として、2018年1月に立飛HDが自社所有地を活用して開設した企業主導型保育所「Fuji赤とんぼ保育園」は立飛駅南側の泉町500街区に立地します。この保育園は学校法人が運営し、建築面積は約440㎡、屋外活動スペースは約1,320㎡を確保、送迎用駐車スペース等も備え、周辺で働く世代の高品質な保育ニーズに対応しています。さらにGREEN SPRINGS内にも同運営法人による新たな保育所「Fujiれもん保育園」が2020年4月にW3棟1階で開園しました。これは同法人が立川で展開する5園目にあたり、園の理念は「親が頼りにできる必要な保育園」を目指すもので、子どもの健やかな成長と保護者の安心した就労を支援するとともに、地域に笑顔をもたらすことを掲げています。これらの保育施設の増加は、市内の待機児童問題の緩和に寄与しています。市の公式情報によれば、立川市の0〜5歳児の入所率は東京都市部で上位にあり、就学前教育資源の充実度は引き続き高まっています(市の統計より)。
教育面では、立川駅北側に位置する都立立川国際中等教育学校が、従来の中高一貫に加えて2022年に小学校を併設し、公立の小中高一貫校としては全国初の取り組みとなりました。同校は国際教育に力を入れており、小学1年生から週に4コマの英語授業を実施するほか、在京の外国人児童や帰国子女の受け入れ枠を毎年確保するなど、多文化に配慮した教育を提供しています。この施策は立川市の学齢期児童に対して自宅近くでの質の高い公教育の選択肢を提供するとともに、多文化に開かれた都市としての立川の姿勢を示すものです。立飛地区における充実した幼児・小中教育の整備は、子育て世帯の定住意欲をさらに後押ししています。
変化がもたらす将来の投資および居住価値への影響
立川市、とりわけ立飛駅周辺を核とする新興エリアは、従来の多摩地域の通勤都市から、居住品質と資産の安定性を兼ね備えたファミリー向けの住環境へと転換しつつあります。近年の大型商業施設や文化施設の着実な立地は、都市の生活密度と利便性を大きく高め、「郊外に住みながら都市的な体験を犠牲にしない」ライフスタイルを現実化しています。日常の買物や外食、週末の過ごし方まで自給自足的に充実した都市機能が整い、公共空間や緑地を中心に据えた新しい開発手法はコミュニティの一体感と長期居住の快適性を高めています。
教育・子育て面でも立川の優位性は明瞭です。保育サービスの拡充、高品質な幼児教育施設の増設、国際性を持つ公立教育機関の整備は、共働き世帯や海外背景を持つファミリーにとって魅力的な要素です。加えて治安の良さや公共サービスの充実度は、長期居住に適した環境を提供しており、同等クラスの郊外都市と比較しても優位に立っています。
交通面では、立川が東京都西部の玄関口的なハブである点が、居住価値と資産価値の下支えになっています。中央線は新宿や東京駅へ直通し、多摩モノレールは南北を貫くことで通勤・移動の利便性を保持しつつ、郊外ならではの余裕ある生活空間を確保しています。通勤利便性と生活快適性のバランスを取れる立地条件は、立川の長期的な需要を支える重要な基盤です。
まとめ
立川の台頭は偶然ではありません。地域の歴史的蓄積から現代の都市運営に至るまで、立川は東京都市圏の利便性と郊外の住みやすさを兼ね備えています。特に立飛駅周辺では新旧が交錯する開発により独自の魅力が生まれており、大型の商業・文化施設がもたらす都市性と、緑地やオープンスペースが醸成するコミュニティ性が同居しています。
自宅用の購入を検討するファミリーにとっては、立川は安心できる子育て環境、利便性の高い生活、そして堅実な資産価値の見込める組み合わせを提供します。立川で家を構えることは、日本の優れた教育と地域コミュニティに溶け込みつつ、不動産の長期的な価値向上を期待できる選択肢と言えます。
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