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「日本の不動産に投資したいけど、詳しくないし面倒そう。サブリースを第三者に任せれば一番楽なのでは?」
日本の不動産投資に関心のある方から、よくこのようなご質問をいただきます。
たしかに、正規のサブリース(サブリース契約)であれば、オーナーが不動産投資に伴う様々な問題を一括して解決できるワンストップサービスを受けることができ、まさに「寝ていても家賃が入る」状態を実現できます。
しかし現実には、サブリース会社には優良企業もあれば悪質な業者も存在し、トラブルや契約の落とし穴も少なくありません。では、サブリースは本当に有効な手段なのでしょうか?本記事では、サブリース契約の仕組み、メリット、注意点について詳しく解説します。サブリースを通じて不動産投資を検討されている方に、参考になれば幸いです。
サブリースと管理委託の違い
**サブリース契約(サブリース方式)**とは、賃貸物件の管理業務を不動産管理会社などに包括的に委託する契約方式です。「管理委託方式」とよく比較されますが、いずれもオーナーの管理負担を軽減する手段です。以下では、それぞれの仕組みの違いを説明します。
管理委託方式
オーナーと不動産管理会社の間で契約を結び、入居・退去の手続きや建物管理などの業務を管理会社が代行します。契約者(貸主)はオーナー自身であり、家賃は基本的に入居者から直接支払われます(代行回収も可能)。管理手数料は家賃の5〜10%程度が一般的です。オーナー自身が家賃設定や入居者審査などの裁量を持ちますが、空室リスクは引き続き自己負担となります。
サブリース方式
オーナーが所有する物件をサブリース会社に貸し出し、その会社が実際の入居者に転貸する仕組みです。契約関係は「オーナー ↔ サブリース会社」となり、賃料の受け取りや入居者募集はサブリース会社が行います。オーナーは契約で定めた一定額の賃料収入を毎月受け取ることができます。

サブリース方式の最大のメリットは、空室が発生してもオーナーはほぼ満室時と同等の賃料を得られる点です(通常、10〜20%の管理料を差し引いた額)。ただし、管理を全て任せる性質上、サブリース会社の選定には特に注意が必要です。信頼性・集客力・経営の安定性などを慎重に見極める必要があります。
サブリース方式の3つのメリット
✅ 1. 管理業務をすべて任せられる
賃貸経営には以下のような煩雑な業務が伴います:
- 入居者の募集
- 家賃の回収
- 入退去の対応
- 契約更新
- クレーム対応
- 建物の修繕や保守
これらをオーナーが一人で継続して行うのは大変ですが、サブリース契約ならすべてサブリース会社に委託できます。さらに、広告費や原状回復費などの一部コストも契約内容によってはサブリース会社が負担するケースがあります。
✅ 2. 空室・家賃滞納リスクを軽減し、安定収入を確保できる
サブリースの特徴は「入居者の有無にかかわらず家賃が保証される」点です。空室や未納が発生しても、サブリース会社が契約上の賃料を支払ってくれるため、オーナーは毎月安定した収入を得られます。
ただし、サブリース契約で提示された賃料が市場相場と乖離していないかを事前に確認することが重要です。相場より高すぎても安すぎても、将来的に大きなリスクとなり得ます。SuumoやAtHomeなどのポータルサイト、またはURBALYTICSの家賃検索機能を使えば、周辺物件の相場や平均単価を把握できます。

✅ 3. 確定申告の手間を大幅に削減できる
一般的な賃貸経営では、修繕費や広告費などの支出を自分で整理・分類し、正確に申告する必要があります。一方、サブリース契約では、これらの費用の多くをサブリース会社が負担するため、オーナーはシンプルな収入報告だけで済み、確定申告時の作業負担を大きく軽減できます。